著者
川瀬 成一郎 澤田 史武
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.84, no.6, pp.1000-1009, 2001-06-01
被引用文献数
15

静止衛星の電波を受けて衛星の軌道経度を直接的に計測する技術を開発した.口径1.8mのアンテナ2基による長さ13mの基線をもつ干渉計が, Ku帯衛星電波を受ける.その際, 基線を特定の方位に向けると, 干渉計の位相は直ちに衛星経度を表す.衛星ごとに定まる特定の方位に基線を向けられるように, 衛星電波は可動反射板を介してアンテナに導くようにした.このような干渉計の構成により, 大口径アンテナに頼らずに諸衛星の軌道位置とその動きを千分の数度の精度で即時計測できるようになった.開発した技術は, 従来的に憂慮される静止衛星の混雑化に対処するための監視活動に役立てられる.