著者
塚脇 涼太 深田 博己 樋口 匡貴 蔵永 瞳 濱田 良祐
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.9, pp.355-370, 2009

本研究の目的は, 様々な環境配慮行動の種類と諸認知および行動意思との関係を検討することであった。298名の大学生に対する調査データに関して, 独立変数を環境配慮行動の種類(流し台ゴミ除去行動, 油拭き取り行動, 風呂排水ゴミ除去行動, 節水行動, 節電行動, リサイクル行動, 再生紙製品購買行動, 使い捨て商品不買行動, トレー回収行動)と調査対象者の性(男性, 女性)とし, 従属変数を集合的防護動機モデルで仮定されている8つの認知, 利便性認知, 利得性認知, 行動意思の合計11変数とする9×2の分散分析を行った。分析の結果, 9種類の環境配慮行動の中で, 最も多くの種類の認知が高い行動は節電行動であり, 反対に, 最も多くの種類の認知が低い行動は, 風呂排水ゴミ除去行動であることが判明した。また, 9種類の環境配慮行動の中で最も行動意思が高い行動は, 流し台ゴミ除去行動, 節水行動, 節電行動であることが明らかとなった。