著者
平川 真 深田 博己 塚脇 涼太 樋口 匡貴
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.82, no.6, pp.532-539, 2012 (Released:2012-08-18)
参考文献数
34

Why do people make requests indirectly? We examined the goals of indirect requests in order to answer this question. In Study 1, 162 university students completed a questionnaire regarding the goals of indirect requests. Exploratory factor analysis indicated that the goals of indirect requests could be classified into five types: concern for the listener, making an effective request, avoidance of explicit refusal, self-impression management, or conveyance of indebtedness. In Study 2, we examined whether these goals actually affect the use of indirect requests by conducting a questionnaire study with 25 university students. The results indicated that some goals (making an effective request, avoidance of explicit refusal, self-impression management, and conveyance of indebtedness) have positive effects on indirect requests, whereas the goal of concern for the listener has no effect. Therefore, we concluded that these four goals which have positive effects are reasonable goals for indirect requests.
著者
塚脇 涼太 新入 智哉 平川 真 深田 博己 樋口 匡貴
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.10, pp.321-327, 2010

本研究では, メガネの着用が対人印象に及ぼす影響を検討した。実験参加者は大学生24名であった。実験計画は, メガネ要因(黒のセルフレーム, 銀のメタルフレーム, サングラス, メガネ着用なし)を独立変数とする1要因4水準の実験参加者内計画であり, 男子学生の上半身を撮影したカラー写真(3タイプのいずれかのメガネを着用, もしくは着用なし)4枚について, 形容詞対による印象の評定を行った。黒のセルフレームのメガネは, 社会的望ましさを高めるが, サングラスは低めることが示された。また, サングラスは活動性を高め, 穏和性を低めることも示された。これらの結果から, メガネの着用が影響を及ぼす対人印象は, メガネのタイプによって異なる可能性が示唆された。
著者
塚脇 涼太 深田 博己 樋口 匡貴
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.43-51, 2011 (Released:2011-08-30)
参考文献数
38
被引用文献数
3 2

本研究の目的は,ユーモア表出が表出者自身の精神的健康に及ぼす影響過程を検討することであった。3類型のユーモア表出が,表出者自身のユーモア感情喚起と周囲からのソーシャルサポートに影響し,さらに,その2つの変数が表出者自身の精神的健康に影響を及ぼすと仮定するモデルを構成し,共分散構造分析による解析を行った。その結果,遊戯的ユーモア表出と自虐的ユーモア表出は,周囲からのソーシャルサポートを促進することを通して,不安を低減することが示された。さらに,遊戯的ユーモア表出は,表出者自身に対してユーモア感情を喚起させることでも不安を低減することが示された。一方,攻撃的ユーモア表出は,周囲からのソーシャルサポートを阻害することを通して不安を高めることが示された。これらの結果から,ユーモア表出の類型によって,精神的健康に及ぼす影響過程が異なる可能性が示された。
著者
塚脇 涼太 樋口 匡貴 深田 博己
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.339-344, 2009 (Released:2012-03-20)
参考文献数
21
被引用文献数
5 10

The structure of humor expression was clarified and its relationships with aggression, altruism, and self-acceptance were examined. In study 1, college students (n=216) responded to a scale with items about humor expression. An exploratory factor analysis indicated three types of humor expression: aggressive, self-disparaging, and playful humor expression. In study 2, 119 college students responded to items about (a) humor expression, (b) aggression, (c) altruism, and (d) self-acceptance. The results showed positive relationships between aggressive humor expression and aggression, self-disparaging humor expression and self-acceptance, and playful humor expression and altruism.
著者
深田 博己 平川 真 塚脇 涼太
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.10, pp.27-36, 2010

本研究では、詐欺の一種である架空請求を虚偽説得として利用した。そして、虚偽説得メッセージ(架空請求ハガキ)を実験参加者に提示した後、説得者の意図に関する事後警告を提示し、その効果を測定した。事後警告情報には、説得意図(PI)、虚偽意図(DI)、情緒喚起意図(EI)の3タイプを使用した。実験計画は、事後警告要因(3種類の単一タイプと4種類の結合タイプの事後警告、および無事後警告)と実験参加者の性(男性、女性)の8×2の2要因実験参加者間計画であったが、実質的に2×2×2×2の4要因実験参加者計画であった。従属変数の測定には事後測定法を用いた。4要因分散分析の結果、①EIタイプの事後警告が有る場合には、PIタイプの事後警告は連絡行動意思を抑制すること、②PIタイプの事後警告は無いが、EIタイプの事後警告がある場合には、DIタイプの事後警告は振込行動意思を抑制することが分かった。また、共分散構造分析の結果、微弱ではあるが、DIタイプの事後警告は、メッセージ評価を低下させて、振込行動意思を抑制することが解明された。
著者
山崎 祥一郎 井邑 智哉 深田 博己 塚脇 涼太
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.10, pp.53-59, 2010

インターネット利用に関する心理学的研究において, 社会関係資本の概念を用いた研究が注目を集めている。本研究では, (a)インターネット社会関係資本の醸成に, コミュニティサイズの認知及びコミュニケーション時間が及ぼす影響と, (b)インターネット社会関係資本が精神的健康(抑うつ, 幸福感)に及ぼす効果を検討することで, インターネット社会関係資本にかかわる一連の過程を検討した。本研究の結果, インターネット上のコミュニティサイズがインターネット結合型および橋渡し型の社会関係資本を醸成し, インターネット橋渡し型社会関係資本が個人の抑うつを増加させる傾向があるということが分かった。
著者
塚脇 涼太 越 良子 樋口 匡貴 深田 博己
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.80, no.5, pp.397-404, 2009
被引用文献数
3

This study examined the motives for different expressions of humor. University students (<I>n</I>=286) completed a questionnaire regarding motives for three types of humor expressions: aggressive humor, self-disparaging humor, and playful humor. Exploratory and confirmatory factor analyses indicated that the motives for the expressions of humor could be classified into five types: relationship construction, transmitting dissatisfaction, supporting others, managing self-impression, or supporting self. ANOVA was conducted to examine differences in the strengths of the motives among the three types of humor expressions. The results indicated that the motive for transmitting dissatisfaction was stronger in aggressive humor expressions than in the two other types of humor expressions. On the other hand, the motive for supporting others was weaker in aggressive humor expressions than in the two other types of humor expressions. Moreover, the motive for supporting self was stronger in self-disparaging humor expression than in aggressive humor expression.
著者
塚脇 涼太 深田 博己 樋口 匡貴 蔵永 瞳 濱田 良祐
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.9, pp.355-370, 2009

本研究の目的は, 様々な環境配慮行動の種類と諸認知および行動意思との関係を検討することであった。298名の大学生に対する調査データに関して, 独立変数を環境配慮行動の種類(流し台ゴミ除去行動, 油拭き取り行動, 風呂排水ゴミ除去行動, 節水行動, 節電行動, リサイクル行動, 再生紙製品購買行動, 使い捨て商品不買行動, トレー回収行動)と調査対象者の性(男性, 女性)とし, 従属変数を集合的防護動機モデルで仮定されている8つの認知, 利便性認知, 利得性認知, 行動意思の合計11変数とする9×2の分散分析を行った。分析の結果, 9種類の環境配慮行動の中で, 最も多くの種類の認知が高い行動は節電行動であり, 反対に, 最も多くの種類の認知が低い行動は, 風呂排水ゴミ除去行動であることが判明した。また, 9種類の環境配慮行動の中で最も行動意思が高い行動は, 流し台ゴミ除去行動, 節水行動, 節電行動であることが明らかとなった。