著者
池田 香織 濵崎 暁洋 幣 憲一郎 稲垣 暢也
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.805-811, 2015-11-30 (Released:2015-11-30)
参考文献数
13

食事療法の摂取エネルギー量設定方法のうち,標準体重による方法と基礎代謝量推定式による方法の有用性について,入院糖尿病患者の体重変化率を指標として検討した.2013年の入院患者429名中,基準に該当した164名を解析対象とした.標準体重に25を乗じて算出したエネルギー量から実際に摂取したエネルギー量を差し引いた値と入院2日目以降の体重変化率との相関係数は-0.26で,基礎代謝量推定式にて算出した場合の相関係数は,Harris-Benedict式-0.48, Oxford式-0.42,国立栄養研式-0.44,京大式-0.40であった.同様に4日目以降の体重変化率との相関係数は順に,-0.34,-0.51,-0.48,-0.50,-0.48であった(P<0.001).京大式【10×体重-3×年齢+750+125(男性のみ)】を含む基礎代謝量推定法は,標準体重法よりも体重変化率との関連が強かった.