著者
濵田 俊也 新田 都志子
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.97-107, 2023-03-31 (Released:2023-03-31)
参考文献数
11

本稿はコンテンツを活用するマーケティングのマネジメント事例研究である。群馬県はマスコットキャラクター「ぐんまちゃん」を用いて,県内外の事業者へのデザイン貸与やグッズ販売等を通じた群馬エリア経済への貢献と,群馬エリアの宣伝・広報に長年取り組んできた。現在,群馬県は,さらに戦略的に「ぐんまちゃん」を群馬県のキラーコンテンツと位置付け,ブランド化事業を行って認知度と好感度の向上を達成し群馬エリアのブランド向上に結び付けようとしている。この取り組みは近年群馬県が推進するメディア戦略が基礎になっている。本稿では,1)群馬県の26年間の「ぐんまちゃん」運営の状況を確認し,2)現在の群馬県のメディア戦略と3)「ぐんまちゃん」ブランド化事業に焦点をあてて論じ,コンテンツを活用するマーケティングのマネジメントで考慮すべき要を抽出する。
著者
濵田 俊也
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.33-44, 2021 (Released:2021-06-01)

本研究は、ゲーミフィケーションが活用されたサービスのユーザーの、サービスに対する「ロイヤリティ」の形成過程の検証を目的として、コミュニティ機能や外部 SNS 連携機能を含むゲームの仕組みが備わった学習支援サービスのユーザー調査を行った。分析の結果、サービスへの「知覚価値」による「ロイヤリティ」への正の影響(直接効果)と共に「ゲーミフィケーションへの満足」の媒介効果が確認され(部分媒介)、「ゲーミフィケーションへの満足」による「ロイヤリティ」への影響については「拒否回避欲求」の強弱による差異が生じており(調整効果)、「拒否回避欲求」の弱いユーザーは強いユーザーよりも「ロイヤリティ」が高まる程度が強いことが示された。「賞賛獲得欲求」の調整効果はみとめられなかった。これらの結果から、「知覚価値」と「ゲーミフィケーションへの満足」が「ロイヤリティ」を同時に高めることと、他者の否定的な見方をあまり気にしないユーザーについては気にするユーザーよりもゲーミフィケーションの「ロイヤリティ」を高める効果が高いことが明らかになった。