著者
濵﨑 敦仁 吉永 武史
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.292_3, 2016

<p> 小学校中学年のゲーム領域には「易しいゲーム」が位置付けられている。しかし、実際のゴール型ゲームでは、コート中盤でのボールの奪い合いが多くなり、ゴール前での攻防に持ち込むことができないことが指摘されている(中村、2003)。この解決策として、中学年ではハーフコートのゲームを設定することにより、ゴール前での攻防に焦点を当てた学習機会を保障できると考えた。また高学年では、攻撃側が数的優位になるようにゲームを簡易化することも明示されている。そこで本研究では、ハンドボールを基にした易しいゲームを対象に、ハーフコートによるアウトナンバーのゲームを導入した指導プログラムを作成し、その効果について検証を試みた。2015年11月に、関東圏内のW小学校4年生1クラス24名を対象に検証授業を実施した。単元始めと最後のゲームパフォーマンスを比較した結果、クラス全体の合計得点が19点から35点へと増加し、攻撃完了率についても61.8%から71.7%へと向上がみられた。このことから、ハーフコートによるアウトナンバーのゲームの導入によって、児童のシュートや得点の機会を十分保障できることが明らかになった。</p>