著者
脇田 茂 瀧 哲朗 伊藤 孝士
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.124-139, 2019-06-25 (Released:2020-01-24)

太陽系内に存在する小天体を活動的な天体とそれ以外に分ける時,前者の代表は彗星であり,後者の代表は小惑星と言えよう.ところが昨今,小惑星に分類されるものの彗星で見られるダストテイルが観測されるような天体が続々と発見されている.こうした天体は活動的小惑星と総称され,それらの実態や活動の原因を知ることは太陽系内の物質輸送や力学進化・衝突進化を理解することに繋がる.本稿では活動的小惑星を通して太陽系の歴史を読み解くことを目指して私達が開催した一連の勉強会で得られた知見のまとめを記し,更には活動的小惑星の今後の研究の方向についていくつかの考察を行う.