著者
荒川 政彦 和田 浩二 はやぶさ2 SCI/DCAM3 チーム
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.152-158, 2013-09-25 (Released:2017-08-25)

はやぶさ2には小型の衝突装置(SCI)が搭載されており,これは秒速2kmで小惑星表面に衝突してクレーターを形成する.このクレーターは小惑星内部を覗くための小窓であり,リモートセンシング観測やサンプル回収から,小惑星表面の宇宙風化や浅内部構造に関する知見を得る.一方, SCIが衝突する様子は分離カメラ(DCAM3)により撮影され,イジェクタカーテンの拡大する様子や小惑星周囲を飛び交うダストを観察する. SCIによる小惑星への衝突は宇宙衝突実験ともいえる.我々はこの世界で最初の小惑星における宇宙衝突実験の機会を利用して,微小重力下における「本物の小惑星物質」のクレーター形成過程を明らかにする.

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著者
井田 茂
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, 2008-06-25
著者
呉羽 真
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.174-181, 2017-12-25 (Released:2018-02-09)

本稿では,京都大学宇宙総合学研究ユニット(以下では「宇宙ユニット」と略記する)が中心になって推進している「宇宙倫理学」という学問分野を紹介する.まず,同ユニットにおける宇宙倫理学プロジェクトの概要を述べる.次いで,惑星科学と関係の深い宇宙倫理学の具体的な話題として,惑星保護に関連した宇宙環境の価値3 3 3 3 3 3 3 の問題と,宇宙科学と社会のコンフリクトに関連した科学の価値3 3 3 3 3 の問題について解説する.最後に,宇宙倫理学が惑星科学との間に築きうる関係性について,筆者の期待を交えつつ論じる.
著者
藤村 彰夫 安部 正真
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.211-213, 2010-09-25
被引用文献数
2

小惑星イトカワを探査したはやぶさ探査機が地球に帰還し,大気突入3時間前に切り離されたカプセルが無事回収された.本稿では、カプセルの回収・輸送作業および,キュレーション設備へのカプセル搬入後,サンプルコンテナの開封実施,内部の観察およびサンプルの取出し開始に至るまでのキュレーション作業の状況と,その後の作業の展望について報告する.
著者
矢田 達 安部 正真 岡田 達明 中村 智樹 野口 高明 岡崎 隆司 石橋 之宏 白井 慶 上椙 真之 唐牛 譲 八亀 彰吾 上野 宗孝 向井 利典 吉川 真 川口 淳一郎 藤村 彰夫
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.68-77, 2013-06-25

地球外物質の採取・記載・保管および配布の目的で発足したJAXAキュレーションセンターでは,現在は小惑星イトカワにタッチダウンした探査機「はやぶさ」の試料を取り扱っている.「はやぶさ」から分離して地球帰還した再突入カプセルを受け入れ,その内部の試料コンテナを取り出してクリーンチェンバー内に導入し,開封を行った.試料コンテナ内の残留ガスから地球外起源の希ガスは検出できなかったが,キャッチャー内部からは主にケイ酸塩鉱物から成る微粒子を回収した.初期記載の結果,それらの鉱物比・鉱物組成がLL4-6コンドライト隕石に近いことが分かり,イトカワ試料と確認された.現在までに400個以上の粒子の回収・初期記載を行い,そのうち8割がイトカワ粒子だった.キュレーションセンターではこの試料を初期分析チーム,NASA,国際公募研究に対して配布し,多様な科学成果が挙がっている.
著者
笠井 康子 佐川 英夫 関根 康人 黒田 剛史 菊池 健一 西堀 俊幸 真鍋 武嗣 JUICE-SWI日本チーム
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.140-148, 2014-06-25

欧州宇宙機関の次期木星圈探査機JUICEに搭載される科学観測装置の一つに,サブミリ波分光計Submillimetre Wave Instrument(SWI)がある.深宇宙探査機の歴史の中で,サブミリ波を用いた惑星観測はこれまでに例がなく,SWIが世界で初めての提案となる.サブミリ波分光計とは何か?本稿ではサブミリ波観測の紹介を皮切りに,我々がSWI開発に至った経緯,SWIが拓くと期待されている科学,それを達成するための観測装置,そして最後にJUICEミッションへ向けた抱負を述べる.
著者
佐藤 幹哉 渡部 潤一
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.4-4, 2007

2006年、オリオン座流星群の突発出現が観測された。この出現はZHRで50を超え、また極大がおよそ4日間に渡った。母天体である1P/Halley(ハレー彗星)からのダスト・トレイルを計算したところ、-1265年、-1197年、-910年のトレイルが起因していることが判明した。また、これらのダストは、木星と6:1の平均運動共鳴にあることがわかった。
著者
渡邊 誠一郎 はやぶさ2プロジェクトチーム
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.23-31, 2013
参考文献数
14

「はやぶさ」後継機としてC型小惑星をめざす「はやぶさ2」は開発の山場を迎えている.初期太陽系の記憶を留め,物質混合の指標に富む始原天体の試料を持ち帰り,鉱物-水-有機物相互作用による物質進化の多様性を実証し,地球への物質供給の様態を解明する.さらに宇宙衝突実験を行って微小重力瓦礫天体(微惑星アナログ)の物理特性を調べ,地下の物質を回収をも試みる.地上観測ではスペクトルも自転軸の向きも不確定な天体である.その天体の素顔をさまざまな装置で観測しつつ,そのデータからリアルタイムで運用オプションを選択し,着地と試料回収を試みる.洗練された技術による自在な運用が,科学成果を最大にする理工一体の探査の姿を連載していく.
著者
竹内 洋人 宮本 英昭 丸山 智志
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.23-27, 2010-03-25

小惑星は,一般には衝突と再集積を繰り返すなど様々な進化過程を経ていると考えられるが,こうした過程に関する時間スケールを知ることは容易ではない.小惑星に関連した年代の測定法としては,クレーター数密度に基づく表面年代,同位体分析に基づく放射年代,そして衝突確率と天体サイズで推定される衝突寿命,といったいろいろな年代推定法が存在する.しかしながら,こうして与えられる年代が小惑星の形成年代であるかというと,必ずしもそうではない.そこで,小惑星イトカワの高解像度画像で岩塊表面に発見された高輝度スポットに着目した.高輝度スポットはマイクロクレーターと解釈できる.その数密度から岩塊の暴露年代を求められる可能性があり,小惑星進化を考察する新しい年代の尺度として利用できると考えられる.
著者
井上 朋香 本田 隆行 出村 裕英 二村 徳宏
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.73-76, 2007-03-25

前号に引き続き,残りの3セッションを紹介する.地質と地理,潮先と表面状態,そして他ミッションについて,大学院生のメモから書き起こされたものだ.前回と重複するが,これは口頭発表の聞き書きであって査読を経たものではなく,今後の研究の進展によっては変わる可能性もある.それを踏まえて,楽しんでもらえれば幸いである.
著者
脇田 宏
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.105-110, 1999-06-25
参考文献数
7
著者
道上 達広
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.48-48, 2005

観測されたS型小惑星と彗星の力学的強度を、レゴリス層の厚さ、地形データ、探査機ディープインパクトによる衝突データなどを比較検討することで見積もった。その結果、S型小惑星の力学的強度は10MPa程度であることが分かった。彗星の力学的強度はそれより1桁から2桁程度弱いことが予想される。
著者
千秋 博紀 滝田 隼 荒井 武彦 福原 哲哉 田中 智 岡田 達明 関口 朋彦 坂谷 尚哉 はやぶさ2TIRチーム
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.120-125, 2015

TIR(中間赤外カメラ)は,8から12ミクロンの波長帯で熱輻射の2次元イメージングを行う.ターゲット天体の1自転分の撮像から表層物質の熱履歴をもとめ,そこから熱物性を推定する.表層物質の熱物性は,ミッション遂行に必要な情報であるばかりでなく,その後の天体の運命を決める重要な情報である.
著者
國中 均
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.109-112, 2013-06-25

宇宙工学は,宇宙への往来の実現を目指し,技術を切磋琢磨してきた.その成果の端的な例は,「はやぶさ」にて実現された地球〜小惑星間往復航行(2003年〜2010年)である.それにより,科学や技術分野を越えて,より大きな世界観を得ることができた.次の新しい知見を得るために,科学的な意義はもちろんのこと,「宇宙を自在に往来する独自能力の維持発展」と「人類の活動領域の宇宙への拡大」という宇宙工学・宇宙探査に跨る目標を担い,「はやぶさ2」小惑星探査ミッションが開発中である.
著者
津田 雄一
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.149-155, 2014-06-25

はやぶさ2は,小惑星サンプルリターン探査技術を推し進めるミッションであり,初代はやぶさの技術蓄積を橋頭保として,サンプルリターン探査技術を確実なものとし,かつ新たな探査技術を実証するプログラムである.はやぶさ2は,基本設計思想は初代はやぶさを踏襲することで,開発期間の短縮とヘリテージに依拠した信頼性確保を目指している.一方で,システム設計には,工学上の挑戦的要素を随所に配して,探査技術の発展とミッション価値の増大に貢献している.小天体探査を工学面で持続的に発展させるには,技術の継承と革新の両面をにらみながら,ミッションを組み立てていくことが重要である。はやぶさ,はやぶさ2,そしてその次へ.我が国の小天体探査は続く.