- 著者
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瀧山 和志
武田 志乃
内川 拓也
小久保 年章
島田 義也
- 出版者
- 日本毒性学会
- 雑誌
- 日本毒性学会学術年会 第40回日本毒性学会学術年会
- 巻号頁・発行日
- pp.1002024, 2013 (Released:2013-08-14)
【はじめに】原子力発電で利用されるウランは腎毒性物質として知られている。ウランは地殻成分として環境中に広く分布し、原発事故で飛散した多くの放射性核種と同様に、その内部被ばく影響に関心が高まっている。劣化ウラン弾汚染や鉱山乱開発による環境負荷の懸念、あるいは地下水汚染地域での健康調査報告などを背景に、放射線防護の観点から早急な対応が求められている。緑藻の一種であるクロレラは、鉛、カドミウム、メチル水銀といった有害金属の吸着作用あるいは排泄促進作用が報告されている。そこで、本研究ではクロレラのウラン腎臓蓄積低減効果を調べることを目的とし、ウラン吸収および排泄へのクロレラの効果について検討を行った。【実験】動物の処置:Wistar系雄性ラット(10週齢)に胃ゾンデにより酢酸ウラン(天然型)を単独(0.5 mg/kg)あるいはクロレラ(1 g/kg)を併用一回投与した。個別に代謝ケージに移し3日間飼育し、摂食、摂水、尿、および糞量を測定した。ウランの分析:腎臓、血液、尿、糞は高純度硝酸を加えて湿式灰化し、ウラン濃度を誘導結合プラズマ質量分析により測定した。【結果および考察】観察期間中、クロレラ併用群の腎臓中ウラン濃度はウラン単独群に比べ50-60%低値となった。投与後初期の血漿へのウラン移行がクロレラ併用群で減少しており、腸管でのウラン取り込みが低下していたものと考えられた。糞・尿代謝への影響についても併せて報告する。