著者
瀬山 淳一郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

人工物(画像)の写実性(本物らしさ)が人間の判断に影響を与えうることはよく知られており、そのような影響に言及した仮説に「不気味の谷」がある。この仮説は、高い写実性を持つロボットや人形が、観察者に不快感を与えるであろうと主張している。本研究では不気味の谷の検討を出発点として、より広い意味での写実性判断に関わる心的プロセスの解明を目指した。心理実験の結果、写実性の判断のために視覚系が利用している情報は、「本物らしさ」よりもむしろ「作りものらしさ」であることを示すデータが得られた。