著者
瀬戸 奏音 小川 景子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第15回大会
巻号頁・発行日
pp.95, 2017 (Released:2017-10-16)

夢とは全ての人において睡眠中毎晩生成されている現象である.しかし,夢内容の生成起序や規定要因について,未だ一定の知見は得られていない.不快な夢内容に関する先行研究では,精神疾患との強い関連が報告されている一方で,健常者を対象とした研究は少ない.さらに,夢内容の生成に関する主観的な要因について,個人特性に着目した研究が多い一方で,日中および就床前の気分の影響を検討した研究は少ない.本研究では,健常大学生を対象に,自宅での夢聴取により個人特性と就床前の気分が夢内容に影響する様子を検討した. マルチレベル相関分析により有意な相関が認められた項目について,マルチレベル構造方程式モデリングを用いた媒介分析を行った.その結果,STAIの特性不安,状態不安と夢のネガティブ情動因子得点に関して,特性不安は夢のネガティブ情動因子に対して,状態不安を媒介することで不快な夢内容へ影響することが示された.