著者
瀬戸口 裕二
出版者
名寄市立大学
雑誌
名寄市立大学社会福祉学科研究紀要 (ISSN:21869669)
巻号頁・発行日
pp.23-33, 2012-03

ハンセン病療善所奄美和光園においては、優生保護法下に生まれた子どもたちが存在していた。末感染児童は、親と隔離された保育所内で生活していた。国立療養所であり、政府の管理下にあった和光園において、患者の出産が可能となっていた背景について、資料を通して人物史的に考察した。戦後の混乱期にあった奄美大島において、カトリックの思想に基づいた職貝たちの活動が、園内出産を可能としてきたことが明らかとなった。また、出産と同時に発生した、養育と教育についても概観した。
著者
濱田 香澄 岡崎 慎治 瀬戸口 裕二 Kasumi HAMADA Shinji OKAZAKI Yuji SETOGUCHI
出版者
名寄市立大学
雑誌
紀要 (ISSN:18817440)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.61-68, 2015-03-31

自閉症スペクトラム障害 (ASD) 児は不安やストレスへの対処能力の低さ (White et al. 2009)が指摘されている。本研究では不安の強い ASD 児に対して,対象児の興味関心のある鉄道路線図を不安の程度の尺度として用い,不安,緊張場面の想起,不安,緊張の数値化,対処法ついて指導者とやり取りを行った。指導前後の不安,緊張の高い場面だけではなく,期待に関する場面の想起があり,鉄道路線図が不安以外の感情のスケールとしても用いることができると考えられた。対象児の中には不安,緊張の高い場面であっても,事前に知らされている場合や有効な対処法を利用させることで,不安が軽減する場合もあった。不安を可視化することにより,自己の不安状態や対処法を客観視することにつながり,ASD 児自身が不安な出来事に対する事前の構えを持つこと,さらに,周囲の大人が ASD 児と共通のスケールを持つことによって,ASD 児の不安状態を把握することが可能である。
著者
矢口 明 深田 綠 瀬戸口 裕二 柴野 武志
出版者
名寄市立大学保健福祉学部社会福祉学科
雑誌
名寄市立大学社会福祉学科研究紀要 (ISSN:21869669)
巻号頁・発行日
no.6, pp.121-133, 2017-03

知的障がい者の就労について、北海道及び北海道教育委員会が進めている障が いのある人の就労支援の充実に向けた取組の状況を概観することに加えて、北海道内 の特別支援学校在籍者の約8割を占めている知的障がい特別支援学校の現状や就労支 援の取組について整理した。北海道において障がいある人の就労に大きな役割を果た してきた職親会の設立の経緯やなよろ地方職親会の障がい者雇用の状況やジョブコー チ養成研修の成果をまとめた。以上のことを踏まえて、知的障がい者の就労支援やキ ャリア教育の在り方について考察する。