著者
照沼 則子
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1-6, 2016-04-30 (Released:2016-04-25)
参考文献数
11

私たちが遭遇する倫理的問題は,①患者(生活者),②医療者との関係,③自分自身の実践での事柄,④所属設置主体や施設・設備,⑤臨床研究など,5つの領域に分類される.臨床においては,「患者」の問題が重要であり,患者の倫理的問題を考えるツールを用いて学習し,ツールを基に観察することからはじめる必要がある.倫理的感受性を高める方法としては,患者の考え方・言葉・態度から,患者への関心を持つきっかけを捉え,受け止め,疑問を持つことにより培われる.一方,2014年度の厚生労働省の基本方針として,「地域包括ケアシステム構築」が挙げられている.チーム医療では,地域でのすまい方を含めた多職種協働が求められている.その際「多職種の信念対立をなくし,患者の望む最良の方策を各専門家の視点で知恵を出しあい検討すること」が,チーム医療を円滑に運用するための心得である.