- 著者
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梅村 又次
中川 清
伊藤 繁
斎藤 修
熊谷 文枝
- 出版者
- 創価大学
- 雑誌
- 総合研究(A)
- 巻号頁・発行日
- 1987
「新潟県100年の生活史」研究は、日本人の生活構造の諸側面には、都市と農村との間に多大な格差が存在するとの仮定のもとに出発したものである。「地方の時代」といわれる現在、各地域の社会・経済構造の基礎ならびに、その影響を様々な角度から分析することは、各地域の今後の発展の方向づけをする上で極めて重要であると考えられる。新潟県は、その地理的、地形は、歴史的現況等から、細分化して考える必要がある。そこで、本研究では、西日本型とも言われる佐渡地域、最も新潟県らしい湛水田稲作単作地帯満原地方の新潟市、そして山村の豪雪地帯にある漁沼の三地域に焦点を当てた。そして、研究成果として以下四点の論文を中心に報告書をまとめた。1.初等教育の普及と教育の成果(梅村又次)2.新潟県における食生活の変遷(熊谷文枝)3.人口変化の歴史的パターン(斎藤修・中川清)4.戦前期新潟県経済の位置(伊藤繁)これらの論文により、生活史の分析が、歴史的横の側面と、地域的縦の側面の双方からのアプローチが同時になされなければならないことがわかっている。そして、分析結果をもとにして、地域の住民が、幸せであると感じつつ余生を過ごせるような環境作りに励むことが必要である。それは、この研究の対象地域である新潟に対してのみ言うのではなく、日本全域に対して言えることである。その様な点に生活史研究の意義があろう。換言すると、多角的に生活水準の諸側面の歴史的推移を研究することにより、その生活史のダイナミズム分析が可能となる。地域社会を歴史的、かつ総合的に分析することは、日本の他地域・全体との係りの中で把える事を可能にし、地域社会の将来の総合的システム構築への施策となろう。