著者
片倉 知博 中山 幸 篠永 正道
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.41-44, 2007-07-31

交通事故などの外傷後に霧視,羞明,視野狭窄,複視,眩暈を訴える症例がある。近年,その原因の一つとして脳神経外科領域で脳脊髄液減少症が注目されるようになった。今回,脳脊髄液減少症に伴う視覚障害がブラッドパッチ治療により改善した1 例を経験したので報告する。症例は31 歳女性。頭部外傷後に起立性頭痛や霧視感,羞明,視野狭窄など多彩な症状を自覚。治療により霧視感の消失と近見視力の改善を認めた。脳脊髄液減少症の眼科的症状は自律神経の機能障害によって起きている可能性が示唆された。