著者
篠永 正道
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.54, no.11, pp.1026-1033, 2014-11-01 (Released:2017-08-01)
被引用文献数
1

脳脊髄液減少症と心身症には3つのかかわりがある.第一に心身症と診断されている脳脊髄液減少症患者が少なくないこと,第二に脳脊髄液減少症の症状に心身症的な症状が含まれていること,第三に脳脊髄液減少症の治療には心身症的な治療が必要であること,である.脳脊髄液減少症は主として脳脊髄液が漏出して脳脊髄液が減少することにより頭痛,めまい,視覚障害,記憶力低下,倦怠など多彩な症状が持続する疾患である.原因が不明の特発性と外傷性があるが,心身症的症状を呈するのは外傷性に多い.診断は体位により変化する多彩な症状とMRIや放射性同位元素(RI)脳槽シンチグラフィー・CTミエログラフィーなどの画像診断によってなされる.治療は減少した脳脊髄液量を増やすことであるが,漏れを止めるためには自家血を脊髄硬膜外に注入するブラッドパッチ治療が効果的である.
著者
片倉 知博 中山 幸 篠永 正道
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.41-44, 2007-07-31

交通事故などの外傷後に霧視,羞明,視野狭窄,複視,眩暈を訴える症例がある。近年,その原因の一つとして脳神経外科領域で脳脊髄液減少症が注目されるようになった。今回,脳脊髄液減少症に伴う視覚障害がブラッドパッチ治療により改善した1 例を経験したので報告する。症例は31 歳女性。頭部外傷後に起立性頭痛や霧視感,羞明,視野狭窄など多彩な症状を自覚。治療により霧視感の消失と近見視力の改善を認めた。脳脊髄液減少症の眼科的症状は自律神経の機能障害によって起きている可能性が示唆された。
著者
篠永 正道 鈴木 伸一
雑誌
神経外傷 (ISSN:03895610)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.98-102, 2003-11-28
被引用文献数
8