著者
片寄 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.70, pp.45-51, 2006-06-30

将棋では盤面の状態判断が重要である.しかし、ただ序盤・終盤を判断して評価関数を変えるという方法は、状態変化の判断が難しく有用ではなかった.そこで盤面の状態を0~100%までの数字で滑らかに示す進行度が作り出された.だが、従来の方法では盤上の全ての駒と全ての持ち駒を計算しているなどの問題がある.そこで、相手の駒を進行度から外す、持ち歩の点数を加える、横の点数を加えるといった改良をそれぞれ行った.結果、進行度から相手の駒を外したプログラムは問題を解決するのに成功した.In Shogi, positional judgment is important. This judgment has to Change depending on the stage of the game. However, it is difficult to define the exact difference between opening and middle game and an evaluation function based on the just opening and endgame is not feasible. Therefore, a progress value which shows the condition of the position smoothly from 0% to 100% is being used. In this paper, some of the problems with using our current progress value will be explaned and solutions will be suggested. lt was shown that not considering the opponent pieces in the calculation of progress values resulted in a significant improvement.
著者
片寄 裕 ライエル・グリムベルゲン
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2007論文集
巻号頁・発行日
vol.2007, no.12, pp.164-171, 2007-11-09

ゲーム研究において評価関数はゲームごとに改良が進められており、それぞれの研究がほかのゲームに役立つことは難しい.そこでチェス、中国象棋、将棋の3つのゲームで共通した評価を使うことができるか評価関数の共通点を調査した.これらは戦争・戦闘を模したゲームといえ、実際の戦争で勝つための法則を記した兵法書には3つのゲーム同様、位置の評価と自由度の評価が書かれている.兵法書にある評価を3つのゲームに当てはめ、実際に共通して適用できるか元のプログラムと対戦させた。結果3つ全てで位置による評価、自由度による評価が共通の考え方で作成でき、孫子の九地篇を用いた方法が共通の考え方の一つになりうるということが確認できた.