著者
片山 勢津子
出版者
日本インテリア学会
雑誌
日本インテリア学会 論文報告集 (ISSN:18824471)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.75-82, 1995 (Released:2022-06-01)

ルイ14世の時代にインテリア様式が成立した要因について,本研究では住様式の観点から考察することを試みた。その結果, ランブイエ邸に始まるサロンという邸宅での私的な社交が,住居のインテリアの発達を促したことが認められた。住居の社交空間は,前編においてみたように,公私へと分化しながら発達していく。この部屋の機能分化が,家具や装飾,室礼などの形式化を促し,個性的なデザインを生み出した。 しかし,ヴェルサイユ宮殿には私的な社交生活は存在しなかった。つまり,公私に分化したうちの公的社交空間のインテリア様式が, ここにルイ14様式として形成されたと考える。
著者
片山 勢津子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.10, 2005

NYチェアXがMOMAの永久収蔵品に選定されるなど,NYチェアは名作椅子として知られる。しかし他と違い,廉価で雑貨店等でも手軽に購入できるため,作者の新居猛やその作品,制作姿勢についてあまり知られていないのが実情である。本稿では,椅子制作に至った経緯や折り畳み椅子の系譜,コピー製品を廻る裁判からNYチェアの制作思想を探る。新居の家業は剣道具屋であったが,戦後,GHQによって剣道が禁止になったため,彼は木工技術を学ぶ。作品で詳細が分かる椅子は24脚で,特徴のあるのはNYチェアシリーズ9脚と試作2脚の計11脚である。その変遷を見ると,折り畳み形式,安定性,軽量化,使用場所等を考慮して改良していることがわかる。自社工場で製作するため,自ら使用して改善,試作を重ね,大衆向けに拘りコスト削減を図る。こうした新居の椅子への思いを踏みにじったのが,コピー商品の出現である。著作権の侵害を一人訴えたが,最高裁でも棄却された。それ以降,彼は真似のできないオリジナル製品を強く指向する。他にない椅子を作ろうと考え,洋の椅子を和の伝統技術で作り上げた職人気質をNYチェアには認めることができる。
著者
片山 勢津子
出版者
京都女子大学・京都女子大学短期大学部
雑誌
生活造形 (ISSN:09199349)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.9-10, 2005-02-08

本学では、家政学部生活造形学科の平成16年度入学生から、定められた所定の授業を履修すれば、卒業と同時に二級建築士と木造建築士の受験資格が得られるようになりました。つまり、受験の為に必要な実務経験は0年です。そこで、変更点を含めて、改めて建築士資格について説明したいと思います。