著者
片山 晶子 寺沢 拓敬
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

この研究は、日本において誰にとってどのような英語力が利益になるのかを、社会学者ピブルデューのいう「資本」の観点から量的質的に探求することを目的でとしておこなわれた。日本版総合的社会調査(JGSS)の2次分析から導き出された日本人英語使用者「男性40代半ば・高学歴・都市在住・有職者」、「女性30代後半・高学歴・無職者」というプロファイルからあてはまる男女6人を録音インタビューし、日本人英語使用者の現実を本人の立場から検討した。データから英語は日本人にとって極めて限定的かつ複雑な交換がなければ資本にはならないと予測され、「国際語としての英語」が事実ではなく言説であるという説を裏付ける結果となった。