著者
片桐 充昭 友竹 浩之 奥山 涼子
出版者
飯田女子短期大学
雑誌
飯田女子短期大学紀要 (ISSN:09128573)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.67-72, 2004-05-27

伊那地域(長野県上伊那郡,下伊那郡等)では食文化の一つとして,昆虫食の習慣がある.本研究では,食材としてのスズメバチ幼虫の栄養学的特性を明らかにすることを目的とした.今回用いた試料はクロスズメバチおよびキイロスズメバチの2種の幼虫および蛹であった.スズメバチ幼虫のタンパク質含量はクロスズメバチ15.1g/100g,およびキイロスズメバチ22.7g/100gで,肉類,魚介類に匹敵する含有量であった.タンパク質構成アミノ酸を分析するため,6N塩酸加水分解法でタンパク質を分解し,アミノ酸自動分析装置で,個々のアミノ酸量を求めた.アミノ酸スコアは1985(FAO/WHO/UNU) (2~5歳)パタンおよび1973(FAO/WHO)パタンによって求めた.1985(FAO/WHO/UNU) (2~5歳)パタンによると,クロスズメバチおよびキイロスズメバチの幼虫は共にアミノ酸スコアが100であり,良質な動物性タンパク質であることを確認できた.