著者
片桐 準二 ドルゴル スレン オユンゲレル ダワー 中西 令子 浮田 久美子 牧 久美子 Junji KATAGIRI DOLGOR Suren OYUNGEREL Davaa Reiko NAKANISHI Kumiko UKITA Kumiko MAKI
出版者
国際交流基金
雑誌
国際交流基金日本語教育紀要 (ISSN:13495658)
巻号頁・発行日
no.12, pp.57-72, 2016

モンゴルでは初中等段階の日本語学習者が全体の約7割を占めるに至っているが、初中等教育全体で統一したシラバスや教材がない。そこでモンゴル日本語教師会は「初中等教育機関向け日本語教科書作成プロジェクト」を実施し、モンゴル日本語教育スタンダードと共に教科書シリーズ『にほんご できるモン』を開発することとした。同スタンダードの理念は(1)社会の中で自分の考えを自由に表現し、相互理解するのに必要な外国語能力の育成、(2)子供たちが自分自身の力で学習を進めていく能力の育成であり、教科書にはプロフィシェンシー重視と自律学習支援の2つの特徴がある。新教科書を使用する教師とのやり取りから教科書が改善でき、学習者自身も話す能力の向上を感じているという報告を聞くが、一方で、教師には「書くことが学習である」という従来からのビリーフがあり、教科書が変わっても新しい教え方にならない等の課題が残っている。