著者
印牧 信行 太田 充治 辻田 裕規 小林 由佳子 安部 勝裕 瀧本 善之 今安 正樹
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.71, no.11, pp.645-648, 2018-11-20 (Released:2018-12-20)
参考文献数
7

全国6カ所の眼科紹介動物病院より緑内障群及び非緑内障群の柴犬DNAサンプルを回収し,イヌ緑内障感受性遺伝子(SRBD1 遺伝子)の3つの一塩基多型(rs8655283,rs22018514,rs22018513)における緑内障発症との関連を調査した.その結果,rs8655283のリスクホモではノンリスクホモに対するオッズ比が3.45(P<0.05),rs22018514ではオッズ比4.32(P<0.01),rs22018513ではオッズ比10.33(P<0.01)となった.またrs22018513のヘテロではノンリスクホモに対するオッズ比が6.14(P<0.05)となった.SRBD1 遺伝子の一塩基多型解析は将来的な緑内障発症リスクの評価に有用と考えられる.
著者
牧 信行 小杉 一江 永嶋 智香 中村 美鈴
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.150-156, 2016 (Released:2016-09-21)
参考文献数
19
被引用文献数
2

目的 : 終末期の延命治療に対する家族の代理意思決定について, 高齢者自身の認識を明らかにする.方法 : 60歳以上の高齢者30名を対象に半構造化面接を実施し, 代理意思決定への信頼感とその根拠を聴取した. それぞれの文章をカテゴリー分類し, 信頼感別の根拠を分析した.結果 : 回答者の70%は代理意思決定を信頼していた. 根拠は信頼感によらず直接の意思伝達が必要としたものが最多で, 次いで信頼あり群では高齢者自身の思いや代理人の特性, 不安あり又は信頼と不安の両者がある群では終末期の代理人の気持ち, 医療者の影響, 終末期の状況が多かった.結論 : 終末期の延命治療に対する意思決定の問題解決のために, プライマリ・ケア現場での意思伝達の動機づけ, 明確な伝達の支援は有用である. さらに, 終末期医療に関する知見の集積, 法・制度面の整備, 倫理面の検討も必要である.