著者
今村 亮一 牧原 由典 谷口 崇
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.66, no.8, pp.240-245, 2018-08-05 (Released:2018-08-05)

C-2輸送機は,C-1等の後継機として,各種事態における部隊等の機動展開や国際平和協力活動等を含む航空輸送任務に使用するために開発された.その目的達成のために,運用する全飛行領域で良好な安全性と操縦性を有しパイロット・ワークロードを低減する,FBW(Fly By Wire)システムの飛行制御機能を設計した.飛行制御機能は,マニュアル操縦時に使用する基本操縦機能,飛行制限領域への逸脱を防止するエンベロープ・プロテクション機能,乱気流中の乗り心地を滑らかにする突風応答低減機能,及びオート・パイロット機能とオート・スロットル機能から成る自動操縦機能で構成する.開発の各設計段階においてフライト・シミュレータ試験を実施し,基本的な操縦性の評価,運用を想定したシナリオに沿った模擬飛行による評価等を行い,C-2輸送機に適合した飛行制御機能を設定した.