著者
坂田 五常 牧野 健二 河村 保夫 猪飼 隆
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.61-67, 1985-02-20
被引用文献数
1

Ethyl 2-[4-(6-chloro-2-quinoxalinyloxy) phenoxy]-propanoate (code No. NCI-96683)は, 現在日産化学工業(株)によって開発中の新しい選択性除草剤である.これまで数種のheterocyclicoxy phenoxy propanoic acid誘導体が選択性除草剤として知られていた.本研究においてヘテロ環としてさまざまなベンゼン縮合ヘテロ環を探索合成した結果, quinoxalinyloxy phenoxy propanoic acid誘導体, とくにNCI-96683がすぐれたイネ科雑草に対する除草活性と広葉作物選択性を示すことを見いだした.これらの誘導体は合成原料として2-chloroquinoxaline誘導体とhydroquinoneおよびα-halogenopropanoic acid誘導体を用いて合成した.NCI-96683は, 大豆, 棉, 甜菜, なたねなどの広葉作物に薬害を示すことなく, イヌビエ, メヒシバ, オヒシバ, エノコログサ, オオクサキビ, カラスムギおよびセイバンモロコシなどに卓効を示した.圃場試験においては, 一年生イネ科雑草に対し0.05-0.15 kg a.i./ha, 多年生イネ科雑草では0.11-0.22 kg a.i./haで十分な除草効果が得られた.