3 0 0 0 OA 第35回 敬震丹

著者
犬伏 壮一郎
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.240-241, 2018 (Released:2018-03-01)
参考文献数
1

徳島の伝統薬「敬震丹(けいしんたん)」は、江戸時代文政年間(1818~1830)に誕生した気付け薬である。藍取引で財をなした犬伏家が、大阪道修町との繋がりを深め、鎖国当時としては貴重な生薬(麝香、牛黄、竜脳、人参、サフラン、香附子、沈香、甘松、桂皮、牛胆、丁子、木香、甘草、生姜)を配合した。1cm角の板状の錠剤で、芳香性の気剤により香りで気を巡らす処方内容であり、口中で香りを嗅いでから服用するとより効果的である。