著者
犬飼 朋恵 河原 純一郎
出版者
神戸親和女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では,注意制御機能を中心とした認知機能の男女差にテストステロンが及ぼす影響について調べた。テストステロンの分泌量は,人差し指と薬指の長さ比及び唾液から測定した。認知課題には,男性優位とされる非標的に紛れた標的を報告する時間的探索課題と心的回転課題,実際の動きと反転してディスプレイに呈示されるマウスの軌跡を見ながら指定された英数字を辿るマウス反転課題の3つを用いた。実験の結果,指の長さ比と心的回転課題の成績との間に相関が認められた。唾液中のテストステロンの分泌量と3つ課題の成績には相関が認められなかった。このことから,テストステロンが認知機能に及ぼす影響は限定的であることが示唆された。