著者
南 憲治
出版者
神戸親和女子大学
雑誌
神戸親和女子大学研究論叢 (ISSN:13413104)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.121-126, 2008-03

小学校の3・4・5年生168名を対象に,73項目からなる「ひとり言尺度」を実施した。各質問項目に記されているそれぞれの状況においてどの程度,ひとり言を発するかについて4件法で回答を求めた。因子分析の結果,ひとり言が発せられる状況として4つの因子が抽出された。これらのひとり言が発せられる4つの状況から考えて,小学生はひとり言を発することによって,自分の気もちや行動を調整していることが示唆された。また,5年生は4年生よりもひとり言をより多く発していることも示された。
著者
赤井 朱美
出版者
神戸親和女子大学
雑誌
神戸親和女子大学研究論叢 (ISSN:13413104)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.51-61, 2008-03

本稿ではホームレスに対してどのような法的保障が可能なのか,また憲法的価値に沿ってそれが運用されているのか,実体法がどのように運用されているか等を,主に生活保護法関連法令をもとに解釈論的・立法論的検討を行う。まずホームレスに対して現行法ではどの法律が適用されているのか,行旅病人及行旅死亡人取扱法と生活保護法からその適用要件を見る。次にホームレスに対して現在なされている運用上の問題点,とくになぜ生活保護受給の制限がなされているのかを判例の解釈も参考にして考察する。
著者
宮崎 和夫 原 清治
出版者
神戸親和女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

この研究の主な目的は、阪神・淡路大震災で避難所になった学校で(1)校長や教員がどのように避難所の運営に当たったか(2)教員・避難民・行政間のトラブルや連絡調整などの諸問題(3)避難所内における教員の仕事と授業などの教育活動との両立の諸問題等を実証的に明らかにすることである。研究の方法として(1)質問紙法による大量調査と(2)事例研究の2つの方法を採った。(1) 質問紙法では、阪神・淡路大震災で避難所になった285校の全教員約8,200人を調査対象とし、3,221名を抽出し(39.0%)質問紙郵送法で調査した。有効回答者数は904名(28.3%)であった。調査結果の主な点は、(1) 地震当日、学校へ出勤できた教員は49.9%、その交通手段はマイカー56.2%、自転車16.3%、徒歩13.7%、自動二輪12.2%。そして26.1%の教員が「勤務校にこだわらず、自宅近くの学校へ出勤した方がよい」としている。(2) 授業の再開は地震後2週間で63.3%、4週間後には94.3%と比較的速い立ち直りを示している。(3) 児童・生徒への特別な配慮では、「精神的支援」がトップで42.7%、次いで「学習の遅れ」が20.2%、生徒指導が13.7%の順。これらの数値は8ヶ月以上を経過しても減少せず、地震による学習の遅れがなかなか挽回できないこと、避難所暮らしなどで子供たちの生活が安定しないことを示している。(4) 避難所の運営における教員の主な仕事は、「来訪者や電話の取り次ぎ」16.9%、「救援物資の仕訳や保管」16.5%、「各種情報の収集と伝達」14.5%など。(5) つらいことは、「トラブルの仲裁」で38.5%、(6) 教員が感じたストレスの主な原因は「上司との人間関係」81.2%、「自分や家族の被災問題」55.7%、「授業や学習の遅れ」41.3%、「避難してきた人たちとのトラブル」36.8%、「生徒指導」33.9%となっており、教員は自分自身も被災者でありながら、授業の遅れを取り戻さなければと責任を感じる教育者であり、さらにまた避難所の運営者でもあるという三重の役割を課せられた苦悩の状況が出ている。(2) 事例研究では、神戸市立神戸商業高校を抽出し、面接法で調査取材し、また報告書や多くの記録や文書を提出いただいた。それらをもとに教員や避難民、生徒の状況と声が取材できた。避難民が生活している講堂での卒業式や入学式、生徒のボランティア活動、教師は遺体の収容や管理、水が出ず数百人の溜った糞尿の処理などに追われ、一方では24時間体制で行政と避難民の種々のトラブルの仲裁に苦悩する教職員の姿が浮き彫りにされた。
著者
辻 憲男
出版者
神戸親和女子大学
雑誌
親和國文 (ISSN:02879352)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.1-25, 1997-12-01

醍醐寺本『諸寺縁起集』所載の淡海三船撰「大安寺碑文一首并序」の本文翻刻と略注。後に付録として、『文選』所収の「頭陀寺碑文一首」の本文を掲げた。
著者
丹野 眞智俊
出版者
神戸親和女子大学
雑誌
神戸親和女子大学児童教育学研究 (ISSN:13420305)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.1-10, 2003-03-01
被引用文献数
1
著者
笹川 洋子
出版者
神戸親和女子大学
雑誌
親和國文 (ISSN:02879352)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.84-109, 1997-12-01

最近の笑いの研究動向として、相互作用に位置づけて笑いをとらえ直そうという試みがあるが、現段階での研究例は少ない。このような笑いを明らかにするには、さらにどのような場面で、どのように笑いが起こるかを観察する必要があろう。そこで、本稿では電話会話に現れる462の笑いの場面をデータとし、笑いの役割を探る試みを行う。データの分析にあたって、以下のように分析の範囲と分析視点を措定する。まず、笑いを自分の感情をありのままに表現する「自己開示」の笑いと、印象操作を意図した「自己呈示」の笑いに分ける。しかし、自己開示の笑いは、意図せざる結果であり、本稿の考察目的とする、笑いがどのように対人関係に規定されるかという問いをたてることができない。にのため、分析対象からはずす。そして、ここでは自己呈示の笑いのみを考察の対象とする。次に、自己呈示の笑いをとらえる視点として、ゴフマンのフェイス・ワークの概念を借用し、笑いを(1)共感を示しあう呈示儀礼の笑い、(2)話し手が聞き手のフェイスを脅す意図はないことを示す回避儀礼の笑い、(3)自己のフェイスを調節する品行の笑いに分類する。さらに、それぞれの笑いについて、会話データを用いて考察を加え、相互行為において笑いが儀礼行為の方略として多様な役割を担っていることを明らかにしていく。