著者
乗藤 雄基 猪股 渉 末冨 岩雄 石田 栄介 山崎 文雄 鈴木 崇伸
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.I_520-I_526, 2014 (Released:2014-07-15)
参考文献数
8
被引用文献数
1

東京ガスのリアルタイム地震防災システム「SUPREME」では,首都圏に約4,000点の超高密度地震観測網からSI値等を収集し,地震被害推定を行う.2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の際には,約5分間で観測SI値等を収集し,地震発生から10分後に50mメッシュのSI値分布を算出し,初動判断のための情報を提供している.観測開始から約10年経過し,これまでに多くの記録が蓄積されている.本論文では,地震観測記録から各観測点での平均SI値増幅度を,K-NETの地震観測記録を活用して算出した.これにより,東京東部低地,西部の丘陵地帯,地形が複雑な横浜市内の特性を把握した.そして,様々な地盤条件での観測記録が得られているので,得られたSI値増幅度と地形分類の関係,平均S波速度との関係を検討し,観測点により大きく値は異なるものの,平均的には低地でよく揺れる従来の関係と調和的であることが分かった.