著者
玉木 裕二 森田 雅夫 並木 美太郎 高橋 延匡
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.40, pp.672-673, 1990-03-14

当研究室では,システムやアプリケーションの開発に,主に言語Cを使っている.また,OS/omicron上で,当研究室で設計・開発した言語CコンパイラCATが存在する.一方,プログラムの入力手段として,プログラムの編集だけでなく,論文や仕様書などの文書やデータの作成などを行う汎用のテキストエディタのALTHEAを開発し,使用している.しかし,汎用であるがゆえ,括弧の対応付けもプログラマが自分で確認しなくてはならない.編集の対象を特定のプログラミング言語に限定すれば,専用のエディタ(構造化エディタ)を開発するアプローチがある.すなわち,プログラムを構文規則に対応した構造を持つものとして扱う.本研究の目標は,言語Cを対象とした構文要素を意識したエディタを開発し,プログラミング支援環境を実現することである.本稿では,そのための手段としての言語Cインクリメンタルパーザと,それによって実現されるプログラミング支援環境について述べる.
著者
若松 直樹 清水 洋子 玉木 裕二 小尾 俊之
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.223-224, 1996-09-04

形式的仕様記述を用いて動作仕様を定義することにより、ソースコードの自動生成や仕様検証等の支援を可能にする研究が盛んに行われている。しかし、それら高度な支援を実現するために人間にとっての理解性を犠牲にして計算機にとって解釈が容易なものにする場合が多い。一つのシステムを複数に分割して記述した時、各仕様からソースコートを生成する際に、仕様上で同じ名前のものをソースコート上でも同じ名前にしなければならない。そのためにはネーミングに規則を設ける必要がある。また、検証を行うために、名前の意味を解析できることは重要である。ソースコードへの変換を考慮したり、記号に意味を持たせて、仕様上の名前に付加し、それにより解析を可能にするという規則は、人間にとっての理解性を低下させる。これを改善するために、我々日本人にとって最も理解しやすい日本語の文章で仕様を記述するネーミング手法を提案する。本報告では仕様上に記述された日本語の名前をソースコート上の名前に変換するためのネーミング規則、およびその解析アルゴリズム、また本提案による効果について、ATM (現金自動取引装置)向けCASEツールへの適用における、特にメッセージ名を例にとって述べる。