著者
川西 幸貴 森畠 康策 加藤 順 村田 顕也 深津 和弘 玉置 秀彦 伊藤 大策 和田 有紀 一瀬 雅夫
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.112, no.1, pp.62-69, 2015-01-05 (Released:2015-01-05)
参考文献数
30

症例は37歳女性.腹痛を主訴に入院,前医で特発性の慢性偽性腸閉塞症と診断されたが,当院での精査の結果,抗gAChR抗体陽性の自己免疫性自律神経節障害が原因疾患であると疑われた.コリンエステラーゼ阻害薬やステロイド,免疫調節薬の使用,単純血漿交換や二重膜濾過血漿交換,胃・腸管の減圧目的で胃瘻および腸瘻を内視鏡的に造設,大量免疫グロブリン療法とさまざまな治療を行ったが,治療抵抗性であった.