著者
甘粕 裕明 姥浦 道生 苅谷 智大 小地沢 将之
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.400-407, 2018-10-25 (Released:2018-10-25)
参考文献数
6
被引用文献数
1

本研究では立適の都市機能誘導区域を都市MPの将来都市構造図の拠点と比較し、類型化を行い関係性を把握し、両計画間における実態と課題を明らかにすることを目的とする。結論として、両計画に関して半数以上の自治体で両者が一致または準拠する形で区域設定が行われていることが分かった。一方で、半数近くの自治体が、都市MPと整合しない区域設定を行っていることも明らかになった。これらの自治体は、拠点指定されていない場所に区域設定を行っている新設型と、同じ位置づけの拠点のうち一部に区域設定を行っている戦略的選定型に分けることができる。このような不整合は、計画制度論的に立適は「都市MPの一部」であり「都市MPに内包される計画」とされている両者の関係性に鑑みると、問題であるといえる。したがって、立適を都市MPと整合する形で定めるか、または都市MPを立適に整合するように改定することが求められる。新設型、選定型それぞれが新設、選定している拠点をその機能に応じて、「都心拠点新設型」「生活拠点新・増設型」「生活拠点選定型」「特定機能拠点新設型」「特定機能拠点選定型」の5つに分類する事で、これらの自治体の実態と課題を明らかにした。