著者
谷口 晋 生山 祥一郎 安田 幹彦 森 正樹 西村 純二
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.341-346, 2005 (Released:2008-04-11)
参考文献数
36
被引用文献数
2

症例1は48歳, 男性. 急性〓桃炎罹患後, 顎下部の腫脹・疼痛・熱感が出現. CTにて顎下部にガスを多量に含む顎下隙膿瘍を認め, 切開排膿後ドレナージ, 抗菌薬にて治癒した. Prevotella 属, Streptococcus milleri 属を検出した. 症例2は75歳, 女性. 関節リウマチ (RA) の増悪を疑われて入院後, 突然ショック状態となり, 上腹部の筋性防御と肝胆道系酵素の上昇を認めた. CTにて肝左葉に大量のガスが貯留する肝膿瘍を認め, ドレナージ, 抗菌薬にて治癒した. Klebsiella pneumoniae, Enterococcus raffinosus を検出した. 症例3は45歳, 女性. RAの経過中に両下腿後面の疼痛・熱感・緊満感を訴えた. MRIにて両側腓腹筋部皮下にガスを混在した蜂窩織炎を認め, 抗菌薬にて治癒した. これら3症例は糖尿病患者に発症したガス産生性感染症で, 非Clostridium 属が起因菌となることが多いことがあらためて示唆された.

1 0 0 0 OA 1.先端巨大症

著者
生山 祥一郎 名和田 新
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.83, no.12, pp.2058-2063, 1994-12-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
5

先端巨大症は成長ホルモン(GH)の過剰分泌が骨端線閉鎖後に生じた場合に起こる病態で,ほとんどの場合下垂体のGH産生腺腫が原因である. GHおよびソマトメジンCの分泌増加に基づく骨・軟骨・軟部組織の肥大により特異な症候を呈し,血管障害や悪性腫瘍の合併が予後を左右する.診断はGHの過剰分泌と腫瘍の局在を証明することである.経蝶形骨洞手術による腺腫摘出が治療の第一選択であるが,薬物療法や放射線療法を行うこともある.