著者
森脇 愛子 藤野 博 生駒 花音
出版者
東京学芸大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は、自閉スペクトラム症(ASD)の児童が適応的な仲間関係構築に至る様相とそれを支える支援法を“過程志向的”に検討するものである。本研究の3つの成果は①ASD児の仲間関係構築を相互作用の変容過程から定量的かつ効率的に把握する最適な評価手続きを精査したこと、②評価手続きを用いた2人組の相互作用量および質の時系列データを活かし、ASD児の関係構築傾向と支援介入の示唆が得られたこと、③仲間関係支援が及ぼす効果が確認されたことである。これらの成果により、ASD児は対人行動の非典型特性を持ちながらも、適切な支援環境下では本人が満足できる親密な仲間関係を構築できるという実証に寄与したと考えられる。