著者
古水 雄志 朝長 由夏 田上 修 上岡 龍一
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.168-172, 2007-03-20
参考文献数
17
被引用文献数
2 2

現在,日本の化粧品市場における美白のニーズは高く,女性のシミやクスミの解消に対する関心は大変高いのが現状である.一方,筆者らや他の研究者は,焼酎蒸留粕の海洋投棄が2007年に全面禁止となるため,廃棄物を有効な物質(例えば医薬品や化粧品)に転換する試みをしている.今回は,B16-F0メラノーマ細胞を用いた美白化粧品開発のための基礎研究を行った.その結果,安全な低濃度条件(10 μg/mL)で,麦焼酎粕パウダーが(1)目視確認にて細胞を美白化し,(2)メラニン産生抑制効果が顕著であり,(3)チロシナーゼ活性抑制効果を大きくすることを初めて明らかにした.これらのことから,将来,麦焼酎粕パウダーの美白剤としての応用の可能性が高くなった.