- 著者
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田中 博基
木村 泰己
松縄 哲明
三本木 省次
髙田 雅美
木村 欣司
中村 佳正
- 雑誌
- 研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:21888833)
- 巻号頁・発行日
- vol.2020-MPS-129, no.3, pp.1-4, 2020-07-20
半導体製造において,リソグラフィシミュレーションモデルが重要である.このモデルを構築する際,大規模密行列の部分特異値分解が必要となる.部分特異値分解のための方法として,AIRLB(augmented implicitly restarted Lanczos bidiagonalization)アルゴリズムがある.本稿では,大規模密行列の部分特異値分解のために,AIRLB アルゴリズムの改良を行う.改良法では,計算途中で必要となる小さな行列の特異値分解のために,QR アルゴリズムではなく,OQDS(orthogonal-qd-with-shift)アルゴリズムを適用する.これにより,高精度な特異値を持つ特異値分解が行われる.数値実験の結果,既存の QR アルゴリズムを用いる AIRLB アルゴリズムと比較して,提案した改良が有効に機能していることが確認できる.精密な議論を行うため, 大規模疎行列と大規模密行列の両方を実験の対象としている.