著者
田中 啓子 本井 博文 工藤 由起子
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.113-119, 2004-06-25 (Released:2009-01-21)
参考文献数
14

損傷O157の検出に適した増菌培養条件を検討した.ボイルスパゲティ中の凍結損傷O157は6時間の増菌培養後,ボイルスパゲティ中の加熱損傷O157,レタスおよびニンジン中の次亜塩素酸による損傷O157は18時間の増菌培養後に選択分離培地によって検出できた.さらにPCR法によりそれぞれ検査開始後12時間以内,24時間以内に陽性検体を判定できた.培養条件はノボビオシン加mEC 42℃ 培養よりTrypticase soy broth (TSB) 42℃ 培養が適していた.麺からの凍結損傷O157の検出にはTSB 42℃ 6時間培養後にPCRを行う方法が,麺からの加熱損傷O157および野菜からの次亜塩素酸損傷O157の検出にはTSB 42℃ 18時間培養後にPCRを行う方法が最も効果的なスクリーニング法であると考えられた.