- 著者
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柏木 充
鈴木 周平
- 出版者
- 一般社団法人 日本小児神経学会
- 雑誌
- 脳と発達 (ISSN:00290831)
- 巻号頁・発行日
- vol.41, no.5, pp.343-348, 2009 (Released:2016-05-11)
- 参考文献数
- 17
- 被引用文献数
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小児の不器用さの簡易判定法を予備調査より作成し, その有用性について検討した. 判定法は, 問診情報と微細神経学的徴候より構成される. 前者は, 球技やはしの使い方等の日常の運動面に関する12項目の問診結果より, 後者は, 閉眼片足立ちや上肢変換運動等の5項目中の陽性項目数より判定される. 発達障害児を含む43例を我々の判定法で不器用さの有・疑・無群に分け, 運動検査Movement Assessment Battery for Childrenの結果と比較した. 有群15例中14例, 疑群11例中6例が障害境界以上, 無群では17例中14例は障害なしであり, 判定法と運動検査の結果は概ね一致した. この簡易判定法は有用で, 発達性協調運動障害を診断する指標となると考えた.