著者
田中 昌昭 川部 健
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.119-127, 1993

複素対数写像Z → lnZ+Cのスケーリング則について報告する.我々はこの写像のマンデルブロ集合におけるk-周期解領域の面積はk^-6でスケールされることを見い出した.これは対数写像に埋め込まれた円写像によって説明することができる.周期加算則もまたこの円写像の性質を用いることによって解明できる.周期加算則に関連して固定点領域との境界線に沿って悪魔の階段が現れることも示す.複素対数写像に見られるこのような現象は, この写像の背後にある, いわゆる2-frequency systemに起因する.
著者
"植松 章子 田中 昌昭"
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.497-510, 2006

"スケジュール作成は,労力を要し,時間のかかる作業である.これは,法的な制約,勤務規程上の制約,あるいは個人の都合による制約など,多数の競合する制約条件の下で最適な解を探索しなければならないからである.本論文では,遺伝的アルゴリズムを用いて,臨床検査技師の日当直勤務割当て問題に取り組んだ.遺伝的アルゴリズムは,多くの組み合わせ最適化問題に適用されている探索アルゴリズムである. 川崎医科大学附属病院中央検査部は,一般,血液など13の部署に分かれ,総勢約80名の職員が勤務している.職員には,日勤の他に平日当直,土曜・日曜・祝祭日の日当直が割当てられている.副技師長は毎月勤務割当表を作成して病院へ提出することになっているが,その際,全部で8つのルールを考慮しなければならない.本研究では,それらのルールをペナルティとして適応度関数に取り込んだ. 本研究で考案した手法を用いて入念な実験を行い,2年間にわたって蓄積された過去の実績データとの比較を行った.その結果,本研究のアプローチは十分実用に耐えられることが示され,スケジュール作成エンジンとして日当直勤務割当て支援システムに組み込んだ. このシステムを利用することにより,ターンアラウンドタイムを50%短縮することができた.しかしながら,日当直勤務割当ての完全自動化を実現するためには,さらなる改良の必要がある."