著者
田中 浩揮 櫻井 遊 秋田 英万
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.237-246, 2022-07-25 (Released:2022-10-25)
参考文献数
48
被引用文献数
2

タンパク質の導入を目的とするmessenger RNA(mRNA)やタンパク質のノックダウンを目的とするsmall interfering RNA(siRNA)を用いた医薬品が承認されたことを受け、今後RNA創薬はますます加速すると考えられる。これらの新規モダリティを基盤とした医療を実現するうえでは、脂質ナノ粒子(Lipid Nanoparticle:LNP)がそのデリバリー技術として大きく貢献している。本稿では現在までのLNPs開発の経緯について概説するとともに、mRNA医薬品の最初の例となったRNAワクチンについて、その免疫活性化機構について最近の知見を紹介する。また、今後のさらなる医療応用を加速するうえで必須となるターゲティング技術について解説する。