著者
田中 皓介 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.I_143-I_149, 2015 (Released:2015-12-21)
参考文献数
14
被引用文献数
4

先の東日本大震災からの復興や,高い確率でその到来が予測されている首都直下型地震及び東海・東南海地震等に対する防災・減災の観点からしても,公共事業の重要性は近年一層高まっていると考えられる.そうした公共事業の実施に当たっては,国民世論並びに世論形成に影響を及ぼし得るメディアの報道が重要であるといえる.ところがそうしたメディアの主要な一つである新聞の,近年の報道が公共事業に対し批判的な傾向であることが示唆されている.ついては本研究では,既往研究からさらに範囲を広げ,戦後から現代までの日本における大手新聞社の公共事業に対する報道傾向を分析した.その結果,その論調は戦後徐々に批判的なものへと変遷していき,特に2000年代の論調は他の年代のそれに比べても極端に否定的な論調であったことが示唆された.
著者
田中 皓介 中野 剛志 藤井 聡
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_353-I_361, 2013
被引用文献数
4 4

人文社会科学において,"物語"は,人間,あるいは人間の織り成す社会の動態を理解するにあたって重要な役割を役割を担うものと見なされてきている.それ故,人間や社会を対象として,公共的な観点からより望ましい方向に向けた影響を及ぼさんと志す"公共政策"においても,物語は重大な役割を担い得る.また公共政策の方針や実施においては,マスメディアが少なからぬ影響を及ぼしていることが十二分に考えられる.ついては本研究では,現在の日本において,政策が決定,採用されてきた背景を把握するにあたり,新聞の社説を対象とし,新聞各社に共有されている物語を定量的に分析することとする.