- 著者
-
高松 哲郎
田中 秀央
- 出版者
- 京都府立医科大学
- 雑誌
- 基盤研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2008
心筋梗塞の修復期に増加する筋線維芽細胞(MF)が、心筋細胞(CM)との間にギャップ結合蛋白質コネキシン43(Cx43)を介して細胞間結合し、心臓に異常な興奮伝導を惹起するか否かを検証した。ラット心筋梗塞モデルでは、MF・CM間にCx43が発現し、CMからMFへ色素移行した。CMとMFの各単層組織をフィルター膜を挟み各々表裏に培養すると、CM層の伝導が遅延し旋回性の不整脈が生じ易くなった。また両細胞を人為的に電気的結合すると、細胞間抵抗の低下に伴いCMの脱分極や自発性興奮が発生した。以上、MFは心筋梗塞の重要な不整脈原性基質となることが判った。