著者
岡本 能弘 田中 麻優里 福井 貴史 増澤 俊幸
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会総会抄録集 第37回日本臨床免疫学会総会抄録集 (ISSN:18803296)
巻号頁・発行日
pp.78, 2009 (Released:2009-10-21)

プロポリスは、ミツバチが外敵から巣を守るためにハーブの新芽や樹脂から作る物質であり、フラボノイド、各種ビタミン、ミネラルなど、健康維持に有用な成分が豊富に含まれ、抗炎症作用を有することがこれまでに報告されている。従って、プロポリス摂取により関節リウマチの発症やその症状を緩和する可能性が考えられる。しかしながら、プロポリス継続摂取の関節リウマチへの効果についての科学的根拠は皆無である。今回、プロポリス継続摂取の関節リウマチ病態に及ぼす影響についてコラーゲン誘導関節炎モデルマウスを用いて評価した。 プロポリスエキス(山田養蜂場みつばち健康科学研究所より提供)含有飼料を実験期間を通して継続自由摂取させたマウス(DBA/1J)は、対照群に比較し、コラーゲン誘導関節炎の症状の悪化が抑制される傾向が見られた。しかしながら、3群(対照群、プロポリスエキス6.7mg/g含有餌摂取群、20mg/g含有餌摂取群)の間に統計学的有意差は検出できなかった。プロポリス投与群マウスの脾臓細胞、リンパ節細胞のサイトカイン産生能、産生細胞数を解析したところ、対照群に比較し、インターロイキン17((IL-17)の産生が低下していた。従って。プロポリス摂取による関節炎症状抑制傾向はIL-17産生抑制作用に基づく抗炎症作用が寄与していることが示唆された。 なお本研究は2008年度 山田養蜂場 みつばち研究助成基金による研究成果を含んでいる。