著者
田代 操 牧 善輔
出版者
京都府立大学
雑誌
京都府立大学学術報告. 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.29-34, 1988-11-18

米糠トリプシンインヒビター(RBTI)分子中のAsp (19)-Pro (20)結合の開裂が酸性pH下で非酵素的に生じた。このことは,pH3.0でのRBTIのインキュベーション,開裂したペプチド結合を有する修飾RBTIの単離,さらに修飾インヒビターの還元およびS-カルボキシメチル化によって得られたペプチドの分析などにより明らかにされた。修飾RBTIのトリプシン阻害活性は未修飾のものに比べ著しく低下しており,これはRBTI分子中のAsp (19)-Pro (20)結合の開裂により阻害活性部位周辺の立体構造に変動が生じたためであると考えられた。