著者
石井 伸尚 篠原 悠 田口 真希
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
pp.21-16, (Released:2022-07-14)

高齢者はがん手術後の回復遅延,術後合併症,ADL低下のリスクが高いとされている.本研究では高齢群と非高齢群に分け,肺癌手術前後の運動耐容能,身体機能・ADLの特性,手術前後における身体機能・ADLの変化率を比較した.対象は原発性肺癌の診断で肺切除術を受けた患者46名(高齢群22名,非高齢群24名)とした.カルテより患者背景(年齢・呼吸機能など),手術関連因子(術式・手術時間など),手術前後の身体機能・ADLとその変化率を調査し群間比較を行った.術前の6分間歩行距離,TUG,片脚立位保持時間は高齢群で有意に低値を示したが,手術前後における身体機能・ADLの変化率は両群間で有意差は認めなかった.術前の運動耐容能や身体機能で非高齢群に比して有意に低値を示した高齢群でも,周術期の呼吸リハビリテーションにより非高齢群と同程度の改善効果を得ることができ,手術後のADLが維持できる可能性が示唆された.