- 著者
-
新井 一郎
小松 靖弘
山浦 常
田口 進
- 出版者
- The Japan Society for Oriental Medicine
- 雑誌
- 日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
- 巻号頁・発行日
- vol.48, no.1, pp.31-36, 1997-07-20 (Released:2010-03-12)
- 参考文献数
- 18
桔梗湯の消化管ホルモン分泌に対する作用を健常人において検討するとともに, 慢性膵炎患者の腹部症状に対する効果を検討した。健常人において桔梗湯エキス顆粒5g投与により血漿コレシストキニン, セクレチン濃度の上昇が認められた。また, 桔梗湯エキス顆粒7.5g/日投与により慢性膵炎患者の腹痛, 圧痛, 下痢, 軟便などの自覚症状は消失した。これらのことから, 桔梗湯はヒトにおいてコレシストキニン, セクレチンなどの消化管ホルモン分泌を介する膵外分泌刺激作用を示す可能性があり, このことを通じて, 慢性膵炎患者の腹部症状に有効であると推測された。