著者
小松 裕司 田口 隆司 三宅 誠
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.88, pp.109-117, 1990-12-15

最近の統計上,報状扱は医的選択を行っているのに,告知書扱より死亡指数が高い。この原因を明らかにするため,払込み方法別死亡指数を検討した。観察範囲は昭和59年度から62年度の4年間,対象は当社標準体男性で,経過契約件数は報状扱約230万件,告知書扱約87万件である。払込み方法別死亡指数をみると,告知書扱では一時払50,年払い76,半年払61,職域月払83,地域月払104であり,報状扱では一時払34,年払53,半年払64,職域月払49,地域月払74と,死亡件数の少ない半年払を除き,すべて報状扱の方が低値であり,また一時払の死亡指数の低さも目立った。年度別払込み方法別件数の推移をみると,各年度ともに,告知書扱における一時払の占率が,報状扱に比べ圧倒的に高く,この結果,全体として比較すると,みかけ上,告知書扱の死亡指数が報状扱のそれよりも低値を示すようになったことが理解できる。