著者
福島 邦彦 三宅 誠 伊藤 崇之 河野 隆志
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.627-635, 1987-06-15

従来のパターン認識は入力パターンの変形や位置ずれの影響を避けるために まず入力パターンの位置や大きさの正規化を行った後に特徴抽出や識別を行う方式が多かった.これに対して 筆者らは先に 生物の視覚神経系を参考にして 高度のパターン認識能力と学習能力を持つ神経回路モデル"ネオコグニトロン"を提案した.ネオコグニトロンは 入力パターンの変形が位置ずれ ノイズなどに強いパターン認識能力を示す.生物の神経系をヒントにしているため その反応特性は人間に似ており 人間が似ていると感じるものはネオコグニトロンも似ていると判断する.しかも学習能力を持っているので あらかじめ学習させておけば どのようなパターンでも認識させることができる.すでにわれわれは ネオコグニトロンによる手書き数字認識システムをミニコンピュータで実現しているが 今回は ネオコグニトロンの演算量がどの程度かを一般の技術者に直感的にわかってもらうため 広く普及しているマイクロコンピュータを用いてシステムを構成した.プログラムは できるだけ高速に動作させるために種々の工夫をこらして作成した.このシステムがマイクロコンピュータでも実現可能であるということは その演算量がそれほど膨大なものではなく 専用のハードウェアを用いれば 実用になる速度で働くシステムを製作できることを示している.
著者
三宅 誠音 磯田 豊 今井 圭理 小熊 健治 澤田 光希
出版者
北海道大学大学院水産科学研究院
雑誌
北海道大学水産科学研究彙報 (ISSN:24353353)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.1-11, 2020-08-24

The shelf slope off Cape Erimo is very steep, and its slope width (L~30 km) is smaller than the internal radius deformation (λi~50 km). A simple model is used to investigate the dynamic response of Oyashio barotropic flow passing through this local steep slope area. Model results suggest that near-bottom Oyashio water cannot intrude from shelf area off Cape Erimo to Hidaka Trough, because inverse flow accompanied by the bottom trapped shelf wave is generated over the steep slope under the physical condition of L <λi. To confirm the existence of such inverse flow, hydrographic data at upstream and downstream both sides of shelf area off Cape Erimo were examined.
著者
福田 卓司 三宅 誠 小林 孝仁
出版者
The Textile Machinery Society of Japan
雑誌
繊維機械学会誌 (ISSN:03710580)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.P390-P396, 1993-10-25 (Released:2009-10-27)
参考文献数
2
被引用文献数
1 1
著者
三宅誠
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.86, 1988
被引用文献数
1

過去5年間に当社入院給付金の支払いを受け,新たに加入申し込みのあった事例につき,その給付歴が告知されているか否かを選択方法別に調査した。告知がなされている場合は入院日数が正しく告知されたかについても調べた。調査対象550件中33.8%に告知がなされていなかった。特に告知書扱いは65.5%が無告知であった。健康確認の無告知は19.4%と社医に次いで低かった。入院日数の正当告知は40〜50%になされていたが,告知書扱いは26.4%に過ぎなかった。性別では,男性が何れの選択法でも無告知の割合が高かった。年齢別では年齢が進むにつれ無告知率が増加した。退院後年数別,入院日数別,疾病別にも観察した。今回の結果は告知の全貌を表してはいないにしろ,このように告知義務違反が多く存在した事は,公平性の面から支払いには毅然とした対応を要すると共に告知の必要性のアピールが更に必要である。
著者
三宅誠 井上 公俊 新開 健司 長野 有宏
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.87, 1989
被引用文献数
1

米国のMedical Information Bureauをはじめ,一部欧州に於いても,生保会社が医学的情報を交換出来る制度が確立されている。しかし,我国ではこの制度は存在しない。今回,医学情報交換制度の具体的な実施要領をはじめ,種々の問題点,また,はたして我国で当制度が実施可能か否かについて検討した。我国では,行政機関の保有する個人情報の保護を目的とするプライバシー保護法はあるが,民間の保有する個人情報を保護する法律は無いので,当制度構築にあたっては,OECDの個人情報保護に関するガイドラインに基づき,充分な配慮をした。当制度の概略は,「当制度の存在を広く公示し,診査時に被保険者の同意を得た後に,各種医的情報を,生命保険協会内に設置した選択情報登録センターに登録する。また,入院給付金支払い情報も登録する。各社はこの情報を保険契約諾否決定時,保険金給付金支払い時の参考に利用出来るが,この情報のみでの判断,決定はしない事とする。」と,いったものである。当制度最大の問題点は,我国の保険契約時の現状をみる限り,かなりの被保険者が登録に同意しないのではないかという点であり,この不同意を謝絶とした場合,販売サイドより激しい抵抗が予想される点である。当制度は,生命保険制度が健全に運営され公平性を保つためには欠かせない制度である。尤も,一部の不心得な契約者排除の目的の為に,殆ど本人に責任は無く,ある意味ではハンディキャップでもある善良な人々の医的情報を登録される事自体に抵抗は多いと考えられる。しかし,逆選択を防止し的確な選択は,寧ろ善良な契約者の利益であり,プライバシー保護のもと正確かつ完全な情報の収集は,会社の義務であると共に両者の利益でもある。業界としては,まず保険金詐欺を許すべきでないという公共的な要請を惹起させ,当制度の社会的コンセンサスを得た後に,当制度を制定する事が最も望ましいと思われる。
著者
小松 裕司 田口 隆司 三宅 誠
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.88, pp.109-117, 1990-12-15

最近の統計上,報状扱は医的選択を行っているのに,告知書扱より死亡指数が高い。この原因を明らかにするため,払込み方法別死亡指数を検討した。観察範囲は昭和59年度から62年度の4年間,対象は当社標準体男性で,経過契約件数は報状扱約230万件,告知書扱約87万件である。払込み方法別死亡指数をみると,告知書扱では一時払50,年払い76,半年払61,職域月払83,地域月払104であり,報状扱では一時払34,年払53,半年払64,職域月払49,地域月払74と,死亡件数の少ない半年払を除き,すべて報状扱の方が低値であり,また一時払の死亡指数の低さも目立った。年度別払込み方法別件数の推移をみると,各年度ともに,告知書扱における一時払の占率が,報状扱に比べ圧倒的に高く,この結果,全体として比較すると,みかけ上,告知書扱の死亡指数が報状扱のそれよりも低値を示すようになったことが理解できる。