著者
佐藤 秀紀 田垣 茂
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.214-218, 1999-12-22 (Released:2019-10-15)
参考文献数
9

定量噴霧式吸入器(MDI)を用いた吸入療法では,使用回数を把握し,ボンベを適切な時期に交換することが重要である.しかし現状では,吸入器の残量チェック方法に関するメーカー側からの情報提供が十分とはいえない.今回われわれは,ノンフロンタイプで200回使用可能なβ刺激薬2剤,ステロイド薬2剤,抗コリン薬の1剤の5種類の吸入薬を対象に,残量評価の方法を検討し,信頼性について検証した.残量チェック方法は,“ボンベの重量を測定する”,“水に浮かべる”の2方法を採用した.重量を測定する方法では,5剤とも負の相関が認められ,ボンベの重量を測定することにより残量を予測することが可能であった.水に浮かべる方法では,4剤で残量の評価に利用できたが,1剤は残量と傾きに関連性がなく,残量の予測はできなかった.