著者
高窪 美智子 西村 真実子 津田 朗子 関 秀俊 田屋 明子 井上 ひとみ 林 千寿子
雑誌
石川看護雑誌 = Ishikawa Journal of Nursing (ISSN:13490664)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.11-20, 2005-08

育児における暴力・暴言の実態と背景要因を明らかにすることを目的に,3ヵ月・1歳半・3歳時健診を受診した母親を対象にアンケート調査を実施し,537名より有効回答(36.1%)を得た.このうち,「夜泣き」など(3ヵ月児)・「いたずら」など(1歳半児)・「お漏らし」など(3歳児)のいずれかの育児場面で困難を伴ったことがあると回答した376名(平均年齢30.0±4.1歳)のうち,思いきり叩いたり暴言を繰り返し言うことが「よく」または「時々」あると回答した者は156名であった.こうした「虐待イエロー」状態の母親は他の母親と比べ,実父との相性が良くない,妊娠を望んでいなかった,もともと子どもが嫌い,わが子が好きになれない,と回答した者が有意に多かった