著者
岡田 洋子 菅野 予史季 松浦 和代 佐藤 雅子 井上 ひとみ 茎津 智子 三田村 保
出版者
旭川医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

1)子どもの「死の概念発達と関連要因」を明らかにする。2)子どもが日常生活の中で出会う「死」を通して「死」や「死後の世界」をどのように考えているか実態を把握する。3)Death Educationのための指針を開発する目的で調査を実施した。調査対象は、小学校1学年から中学校3学年までの合計2,690名で、地域別では北海道が989名、関東が935名、九州が766名であった。死の概念の構成要素である(1)生物・無生物の識別は、学年(小学1〜3年と小学4〜6年、小学1〜3年と中学1〜3年)、地域(北海道-関東)、性別、学年・性別間と、(2)死の不動性は、学年(小学1〜3年と小学4〜6年、小学4〜6年と中学1〜3年)、地域(北海道-関東、関東-九州)、性別、学年・地域、学年・性別、地域・性別間と、(3)死の不可逆性は、学年(小学1〜3年と中学1〜3年、小学4〜6年と中学1〜3年)、地域(北海道-九州、関東-九州)、性別、学年・性別間と、(4)死の普遍性は、学年(小学1〜3年と小学4〜6年、小学1〜3年と中学1〜3年)、地域、学年・地域、学年・性別間と、(5)時間の概念では、学年(小学1〜3年と小学4〜6年、小学4〜6年と中学1〜3年)、地域、性別、学年・地域、学年・性別間、学年・地域・性別と有意に異なる関連があった。死の概念(5つの構成要素の和)は、学年、地域、性別、学年・地域、学年・性別、地域・性別、学年・地域・性別の全てと有意に異なる関連があることが確認された。つまり小児の死の概念発達は、学年、生活環境、性別による影響を受けており、その結果異なることが考えられる。Death Educationの方略指針の作成において、学年、生活環境、性別等を考慮に入れたプランが必要である。そこでまず、北海道における方略を開発中である。
著者
瀬藤 乃理子 坂下 裕子 黒川 雅代子 井上 ひとみ 山田 至康 森島 恒雄
出版者
甲南女子大学
雑誌
甲南女子大学研究紀要. 看護学・リハビリテーション学編 = Studies in nursing and rehabilitation (ISSN:18825788)
巻号頁・発行日
no.1, pp.87-93, 2008-03-20

子どもの突然の死は,その家族にとって極めて外傷的な喪失体験であり,回復に向かう悲嘆過程は非常に困難なものとなる。その影響は,両親の感情面や世界観,生活や人生そのもの,家族システム,遺された子どもたちなど,多方面に多大な影響を与える。本稿では,小児救急における家族援助の重要性について述べ,子どもの死が予測された時点から死後まで継続的に行われることが推奨される医療従事者によるグリーフケアについて考察した。特に,インフルエンザ脳症のグリーフケアガイドラインの中で提唱した具体的な援助方法と,遺族に手渡す「グリーフカード」を紹介した。
著者
高窪 美智子 西村 真実子 津田 朗子 関 秀俊 田屋 明子 井上 ひとみ 林 千寿子
雑誌
石川看護雑誌 = Ishikawa Journal of Nursing (ISSN:13490664)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.11-20, 2005-08

育児における暴力・暴言の実態と背景要因を明らかにすることを目的に,3ヵ月・1歳半・3歳時健診を受診した母親を対象にアンケート調査を実施し,537名より有効回答(36.1%)を得た.このうち,「夜泣き」など(3ヵ月児)・「いたずら」など(1歳半児)・「お漏らし」など(3歳児)のいずれかの育児場面で困難を伴ったことがあると回答した376名(平均年齢30.0±4.1歳)のうち,思いきり叩いたり暴言を繰り返し言うことが「よく」または「時々」あると回答した者は156名であった.こうした「虐待イエロー」状態の母親は他の母親と比べ,実父との相性が良くない,妊娠を望んでいなかった,もともと子どもが嫌い,わが子が好きになれない,と回答した者が有意に多かった
著者
渡邉 暢浩 高橋 真理子 宮本 直哉 村上 信五 井上 ひとみ 出口 正裕 関谷 芳正 井脇 貴子
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.354-359, 2006-12-15 (Released:2011-03-18)
参考文献数
9

HiRes 90K® Bionic Ear implantは米国アドバンスト・バイオニクス社の新しい機器であり, 米国食品医薬品局の承認を受け, 本邦以外の世界で採用されている。特徴として柔らかくしなやかで, 薄い形状であり, 手術侵襲が軽減されていることやこれまでの8チャンネルから16チャンネルに倍増していること, 新しいコード化法を取り入れていることなどが挙げられる。今回4名の中途失聴成人 (男性3名, 女性1名, 年齢64歳から74歳) に本機器を手術する機会を得, 特に術中, 術後に問題はみられなかった。軽度の浮遊感が続いた患者が1名みられたが, まもなくそれも消失した。4名のうち2名においてMAIS (Meaningful auditory integration scale) を行ったところ, 従来のプログラムであるContinuous Interleaved Sampler (CIS) やPaired Pulsatile Stimulation (PPS) よりもHiRes-SやHiRes-Pにおいて明らかに高い値を示した。結果として4名の患者はすべて新しいHiRes® sound processingを選択され, 従来のコード化法を選んだ患者は一人もいなかった。短期観察期間ではあるが, HiRes 90K® Bionic Earimplantは, 欧米での評価もあわせて効果の面でも安全性の面でも現在認可されている人工内耳より優れていると考えられた。
著者
岡田 洋子 井上 ひとみ 茎津 智子 菅野 予史季 三田村 保 佐藤 雅子
出版者
旭川医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本研究の目的は、死をタブー視し子どもとの会話を避ける傾向が強い日本社会において、命の大切さや生きること、死についてどのように教え学ぶか、その方略の開発と実践・評価である。対象は協力の得られた小学校の低学年78名、高学年80名、中学生112名の合計270名である。方法は各学年用に作成したDeath-Educationプログラムの実施前および実施後に、「命」「生きること」について原稿用紙1枚程度に記載、提出を願った。分析は提出レポートから(1)コード化を行い、データがどのカテゴリーに属するか(2)サブカテゴリー化(仮説設定過程)を推定し、(3)カテゴリー化を試みた帰納的・記述的方法である。Death-Educationプログラムの作成は、小児看護の立場で行なう目的・指針と認知的発達段階を考慮し作成した。低学年は作成した「命」について考える視聴覚アニメを、高学年は生徒に身近で具体性に富む少年の闘病生活ドキュメンタリーを、中学生は先天性疾患で入退院の経験・障害を有する高校1年生自身による体験談と、骨腫瘍の少年の闘病生活ドキュメンタリーを併用した。倫理的配慮は、中学生には成績に一切関係がない、参加するか否か(途中で出ても)自由である、本人および家族から承諾書にサインを頂き実施した。結果は各学年とも実施前より後の方が1)記載内容が増加、2)一般的知識から感情を伴った表現内容に変化、高学年以上ではさらに3)死と対峙する仲間の闘病生活から(1)そういう仲間の存在をしらないで生きていた自分の発見、(2)健康は当たり前なことではなく、とても大切なことの実感、(3)健康・命の大切さと親への感謝の気持ち、と多くの学び(衝撃)を得ていた。さらに4)死の否定的側面ではなく、生きることに目が向けられていることが確認できた(From Death to Life)。
著者
茎津 智子 岡田 洋子 菅野 予史季 井上 ひとみ 井上 由紀子 志賀 加奈子
出版者
天使大学
雑誌
天使大学紀要 (ISSN:13464388)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.1-12, 2005-09-30

This study discussed how to do Death Education for school-aged children and evaluated intervention in Death Education. The subjects were 80 children - the 4^<th> grade of elementary school. As the teaching material for Death Education a documentary film was prepared; the story of a school-aged boy living and fighting against his disease. The subjects wrote two reports about "the meaning of life" or "life now", before and after of the Death Education. Their reports were analyzed using the constant comparative method. Analysis revealed that there were four major categories before intervention (#1-4), and five major categories after intervention (#5-9). 1. the preciousness of life, 2. their feelings about daily life, 3. their thought about life and death regarding other person's circumstances, 4. the significance of life and death, 5. the absurdity of death, 6. their new leaning about the preciousness life, 7. their impression about living and life, 8. attitudes to life, 9. their emotional response to the unreasonable death of other. As a result, compared with categories before and after intervention, children have an opportunity to think and to feel about "life", "death" and "daily life" more familiarly after the intervention. This teaching material for Death Education was easy to comprehend for them, because the character in the film was a school-aged child of the same generation. It was extrapolated that children were concerned about "life", "death" and "daily life", but they had no chance to talk or reflect about this theme with their families, teachers or friends. We still have to continue to discuss and evaluate methods of Death Education, but in greater dialogue about this theme with children.